都会のローカル線~鶴見線探訪~
京浜工業地帯沿いに走る鶴見線は乗降客が朝夕に偏り、日中は利用客が少なく、なんと起点となる鶴見駅以外は無人駅です。
この路線の駅は二つの支線を含め13 駅で構成され、全線で 9.7km の短い路線ですが、電車の本数が少ないため、全線を制覇する人は少ないです。今回は全駅紹介と鶴見から足を伸ばせる定番スポットを併せてご紹介します。
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鶴見駅まずはコースの始発、京浜東北線と鶴見線が停まる鶴見駅。
実は1872年に日本で初めて横浜駅が開業した翌日に6番目の駅として鶴見駅も開業しておりとても歴史がある駅なんです。
鶴見線のホームは木製のベンチやアナログの大時計が設置されており、ノスタルジックな気分になります。
鶴見駅から行くことが出来るスポットも併せてチェックしてみて。 -
バスで約15分、徒歩で約10分
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鶴見駅から寄り道①三ツ池公園3つの池の周りに咲き誇る1,000本以上の桜日本の「さくら名所100選」に選ばれている三ツ池公園。江戸時代に造られた3つの大きな池の周りには、2月中旬に開花する寒桜を皮切りに4月中旬の八重桜まで、およそ70品種・約1,000本もの桜が少しずつ時期をずらして咲き続け、訪れる人を楽しませています。
友好提携を記念して中国遼寧省から贈られた馬超龍雀像のほか、韓国京畿道と神奈川県との友好提携を記念して整備されたコリア庭園をめぐる散策や、軟式野球場、テニスなどのスポーツも楽しむことができる公園です。住所 神奈川県横浜市鶴見区三ツ池公園1−1 電話番号 045-581-0287 ウェブサイト1 http://www.kanagawa-park.or.jp/mitsuike/ ウェブサイト2 https://www.pref.kanagawa.jp/docs/tu5/cnt/f6599/p19723.html アクセス JR京浜東北線 鶴見駅 バリアフリー情報 ◆駐車場 車椅子使用者を含む障害者優先の駐車場 (4台) 通路 舗装済 段差(2cm以上) なし ◆野外通路 段差(2cm以上) あり 車椅子走行 可能 通路 一部のみ舗装済 ◆施設内 出入口段差(2cm以上) なし 出入口手すり あり 出入口スロープ あり 通路段差(2cm以上) なし 通路スロープ なし 車椅子走行 一部可能 ◆トイレ トイレ あり トイレのタイプ 洋式と和式 多目的トイレ あり 多目的トイレまたは車椅子用トイレの入口幅 80~90cm 多目的トイレまたは車椅子用トイレの洗面台の高さ 75cm以下 多目的トイレまたは車椅子用トイレの便座の高さ 38cm以上 緊急呼び出し用ボタン 全ての個室に設置済 ◆サービス 有人の受付 あり 車椅子の貸出 あり(5台) -
徒歩で約5分
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鶴見駅から寄り道②【2024年は開催終了】大本山總持寺(み霊祭り盆踊り大会)總持寺は曹洞宗の大本山として知られています。毎年夏にみ霊祭り盆踊り大会が開催されます。今では地域の夏の風物詩として定着しており、元気いっぱいの僧侶の掛け声に合わせ、大勢の参加者が盆踊りを楽しんでいます。大変盛り上がる盆踊り大会に是非お越しください。
住所 神奈川県横浜市鶴見区鶴見2-1-1 電話番号 045-581-6021(総受付) ウェブサイト1 http://www.sojiji.jp/ アクセス JR 鶴見駅 営業時間 ※み霊祭り盆踊り大会 7月17日~19日 18:00~21:00 -
バスで約10分、徒歩で約10分
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鶴見駅から寄り道③生麦事件碑と生麦事件発生場所1862年、薩摩藩島津久光の大名行列に押し入ってしまったイギリス人商人らが切りつけられた生麦事件の発生現場です。
事件への報復として薩英戦争が勃発しましたが、戦争を契機として薩摩藩はイギリスとの交流を深めて近代化を推し進め、明治維新の中心となっていきました。住所 神奈川県横浜市鶴見区生麦1丁目16−14−2(事件碑)鶴見区生麦4丁目25-2付近(発生場所) 電話番号 045-510-1676 アクセス 京急線・生麦駅 -
国道駅国道駅の由来はとてもシンプルで、国道15号線が通っていることから命名されました。
1930年の開業当時は、高架下にはデパートがあり、駅ビルのはしりとなった場所だったそう。
現在も開業した当時のままに残されており、レトロ感を一層強くします。映画やテレビドラマでも使用された大正ロマン漂う風情があり、まるでタイプスリップしたような気分に浸れます。 -
鶴見小野駅1936 年に工業学校前停留場として開業し、1943 年に鶴見臨港鉄道線が国有化されたときに駅に昇格、鶴見小野駅に改称されました。
駅名は、江戸末期から明治初期にかけて付近の新田開発を行った小野氏に由来します。
近くには、住宅街や最先端技術の研究施設、高校もあり日中も利用客が多い駅です。
駅のホームは相対式ですが、向かい側のホームに移動するためには、一旦改札口を出て踏切を渡って反対側のホームの改札口を利用する必要がある珍しい駅です。 -
弁天橋駅
開業当時、駅近くに漁師の守護神「弁天神」が奉られている池があり、その池に赤い橋が架かっていたことから駅名が付けられました。
鶴見線の車庫も弁天橋駅に位置しています。
京浜工業地帯に最初に進出したAGC(旭硝子)横浜テクニカルセンター(旧京浜工場)があったり、線路に隣接して南極観測船ふじ、初代しらせが誕生した造船所があったりとモノづくりの企業がこの駅に集結しているのが特徴です。また近くには沖縄の物産店や沖縄料理店、南米関係の食料品や南米料理店もあったりと様々な顔を持っている駅とも言えます。
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浅野駅
駅名は京浜工業地帯の生みの親で鶴見臨港鉄道の創業者でもある浅野総一郞から名付けられました。
浅野総一郞による事業は、京浜臨海部の埋立事業だけではなく、鉄道、運河(京浜運河等)、遠隔地に水力発電所を設けるなどのインフラ整備に加え、専用埠頭を設けました。このように原材料を輸入し、 製品を輸出する総合的な重工業用地として造成されたものは、浅野総一郎によるものが日本で最初だとされています。
また、浅野駅は海芝浦支線との分岐点の駅で三角州形のホームがあります。
近くにある入船公園は、鶴見臨海フェスティバルや沖縄の食や文化に触れる鶴見ウチナー祭の会場になるところです。 -
安善駅
浅野総一郞の大恩人で、みずほ銀行のルーツになる安田銀行の創立者の安田善次郎からとった駅名です。
鶴見・川崎地区の工事のために創立された鶴見埋築(株)を前身とする東亜建設工業(株)の敷地内に浅野総一郞の銅像と埋立稲荷神社があります。東亜建設工業のシンボルマークは「三羽の鶴」で、同社の発祥の地「鶴見」と浅野総一郞・安田善次郎・渋沢栄一「三氏」を象徴しデザイン化されたものだそう。京浜工業地帯の埋立の大事業をなしえたのは、この安田善次郎・渋沢栄一の二人のお陰と称されています。 -
武蔵白石駅
日本鋼管(JFEのルーツの一つ)の創業者で、鶴見臨港鉄道の設立発起人の一人である白石元治郞にちなんで命名されました。白石元治郎像は浜川崎にあるJFEの構内にあります。また、この地は富士電機(株)の発祥の地でもあります。
武蔵白石駅~浜川崎駅には、かつて夏季のみ営業する「海水浴場前」という臨時停車場があって、東洋一といわれた扇島浴場への渡船客に利用されていました。 -
浜川崎駅
鶴見線と南武支線の乗換駅の浜川崎駅は道路を挟んで別の駅舎があるため、両線を乗り継ぐには一度改札口を出てから乗換えます。浜川崎から扇町までは、単線の区間です。
日本鋼管の発祥の地でもあり、敷地内には白石元治郞の銅像や歴史遺産である旧日本鋼管本社社屋正門の石造りの門柱が移築されています。
また門柱の奥の建物は、日本鋼管操業初期ドイツから招いた職工長などが使用した建物を歴史資料館として再建されたものもあります。 -
昭和駅昭和電工(昭和駅開業当時は昭和肥料)の最寄り駅であることから命名されています。
近くにある川崎市川崎区浅野町には、浅野総一郞が設立した浅野セメント(株)をルーツの一つとする(株)デイ・シイ 川崎工場があります。
昭和駅はSuicaをタッチして、直ぐにホームに行けます。切符の券売機はありませんのでSuicaのご準備を忘れずに! -
扇町駅
鶴見臨港鉄道の創業者である浅野総一郞の浅野家の家紋の扇にちなんで命名されました。
昭和電工川崎工場の本事務所は昭和初期の京浜工業地帯における工場事務所建築の代表的な事例のひとつで登録有形文化財になっています。
三井埠頭(株)の埠頭は日本最初の接岸埠頭で、その時のガントレークレーン (レール上を移動可能な構造の門型大型クレーン)2 機が現在も稼働しています。
ちなみにJR の運賃で、特定地(大阪など)から、特定地(横浜など)までの運賃は、特定地の中心駅間の距離をもとに計算されます。
鶴見線は横浜市と川崎市を走ってますが、特定地間の乗車券では、横浜市内扱いになっています。 -
新芝浦駅
海芝浦支線にある駅で芝浦製作所(現在の東芝)の最寄り駅として開設されました。
当時、東京都に芝浦駅があったので、頭に「新」を付け駅名にしました。
東側のホームは運河に面しておりこの駅から海芝浦までは単線の区間になります。 -
海芝浦駅
日本一海に近い駅の海芝浦駅。東芝の前身、芝浦製作所とこの駅が海に面していることから命名されました。
この駅なんと東芝の敷地内なので一般の人は改札口から外に出られないので注意。
眺望が素晴らしく関東の駅百選に認定されている海芝公園は駅に隣接して東芝が作った公園です。横を向けば京浜運河、鶴見つばさ橋と横浜ベイブリッジが見えるので、美しい景色を見たい方は電車の時間帯に合わせて訪れてみてもいいでしょう。 -
大川駅
武蔵白石~大川間の大川支線終点のこの駅は、日本初の製紙技師大川平三郎にちなんで命名されています。
電車の本数が極めて少ない駅のため、バス停案内所や隣の武蔵白石駅までの案内図が貼られています。
駅名ににもなっている大川平三郎は、渋沢栄一の甥で、渋沢に紹介され、浅野総一郞の事業に協力するようになり、後に日本鋼管の二代目社長を務めました。
この付近には日清製粉鶴見工場があり、かつては鶴見火力発電所もありましたが、鶴見火力発電所は現在は工業団地とな発電所跡には碑があります。 -
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