丹沢山地の恵み。秦野で水と自然、そして菜の花台の絶景夜景を楽しむ
丹沢山地に抱かれた自然の豊かさが秦野の魅力
丹沢山地は神奈川県北西部に広がる山地で、北東部の宮ヶ瀬湖、南西部の丹沢湖の間に広がるエリアが丹沢大山国定公園として指定されています。
その丹沢山地のふもとに位置する秦野市は都心から約1時間の好アクセス。
丹沢山地の入り口にあたることから登山客も多く、弘法山や頭高山などの初心者向けのコースから、大倉、ヤビツ峠を入り口とした本格的なコースまで、いろいろなレベルに合わせた登山を楽しめます。
また、景観や富士山、湧き水や桜など様々な目的で市内随所をハイキングやウォーキングで楽しむことができるのも特徴です。
市内では毎年1万本以上の桜が咲くことから、春には「桜咲く秦野盆地」と銘を打ち、様々なイベントやライトアップで盛り上がります。
歩き疲れたあとには秦野の名水を。市内には秦野盆地湧水群と言われるほどいくつもの水汲み場が整備されているスポットがあり、それを目的に散策する人もいます。
珍しいらせん構造の木製展望台
秦野市から丹沢山地の登山で有名なヤビツ峠へ向かう途中に菜の花台展望台はあります。
ここには23台程駐車できる広い駐車場と木製の大きな展望台があり、地元では相模湾を中心とした広大なスケールの風景や夜景を見られるスポットとして知られています。
菜の花台の象徴でもある高さ13mの展望台は会津若松にある「さざえ堂」と同じ二重らせん階段構造でできためずらしい建築の木製の展望台で、登り階段と下り階段が別々であることから、人と人がすれ違うことなくらせん階段を上り下りできるユニークな建物となっています。
富士山から伊豆半島、そして三浦半島まで見渡せる絶景の展望台
らせん階段をぐるぐると回りながら昇りきると360度を見渡せる絶景の展望室に到着します。
展望室を一周しながら目に飛び込んでくる絶景の連続をお楽しみください。
まずは、この展望に上がらないと見ることができない富士山は必見。
夕刻に昇ると夕陽に対して逆光になりますが、そのシルエットもまた神々しく美しく感じられます。
海に向かって右手には、箱根の山々から真鶴半島、さらに先には伊豆半島までを見渡す1枚の絵画のような景色、そして正面には相模湾の広がり、左手には江ノ島、その奥には三浦半島までを一望できる大パノラマが広がります。
展望台に上がってきた人たちもぐるぐると回りながら何枚もシャッターを切っていきます。
山のふもとには秦野の盆地が広がっていますが、宵闇が差し迫るころ、この町の明かりがイルミネーションのようにきらめき、展望台からの景色をより一層魅力的に演出してくれます。
絶景夜景のデートスポットとして人気
菜の花台は昼間の眺望はもちろんですが、夜景スポットとしても人気です。
日の入り時刻からは、展望台から見える空の色が徐々にオレンジ色から濃いブルーへと変化していきます。
そして、足元に見える秦野の市街地の明かりがポツポツと光り始めるころから絶景夜景の時間が始まります。
日没の少し前から日没後にかけて、空の光が変化して幻想的な色に染まる時間帯を日没マジックアワーといいますが、よく晴れた日の夕刻に見るここからの景色の移ろいはまさに「マジック」、一見の価値ありです。
この展望台は駐車場もトイレも整備されているので夜でも安心。この時間帯を目指して地元のカップルが集まってきます。
冬場は空気が澄んでいるため、夜景のキラメキがより輝きを増しますが、寒いのでしっかりと防寒対策をして見に来てください。
春は蓑毛の淡墨桜、ライトアップも楽しみ
秦野市街地から菜の花台展望台に向かう道中には蓑毛(みのげ)という地区があり、そこでは毎年春に日本三大桜のひとつ「薄墨桜」の大きな一本桜が花を咲かせます。
蓑毛に咲く淡墨桜を地域で盛り上げ、緑豊かな蓑毛地区の良さを知ってもらおうと、桜の木の周りには菜の花を植えて、黄色とピンクの見事なコントラストで見る人を楽しませてくれます。
昼間の一般開放に加え、期間限定で夜間ライトアップを開催していますので、満開シーズンだけの短い期間ではありますが、菜の花台展望台で夜景を見に行く途中に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
弘法大師にまつわる伝説をもつ丹沢山地の湧き水
秦野盆地の地下は丹沢山から流れる水が貯まる「天然の水がめ」となっているため、市内随所に湧水が見られます。
それらは秦野盆地湧水群として環境省が主催する「名水百選」選抜総選挙の「おいしさ」部門で全国1位にも選定されるほどで、長年人々の生活を潤してきました。
なかでも有名なのが秦野駅から徒歩約5分の住宅街の真ん中にある「弘法の清水」です。
弘法大師がこの地を杖でついたら水が湧いたという伝説もある由緒ある湧き水として人気で、年間を通して、水温は16℃前後で安定していて、井戸から湧き出る水は1日100トン前後と水量豊富な井戸です。
水場は飲み水用と洗い物用に分けられ、とても清潔できれいに整備されているので、ペットボトル持参で水を汲みに来ている人も見られます。
市内には他にもいくつもの湧水スポットがありますので、湧水めぐりウォーキングもおすすめです。
この記事を書いたライター
旅ナカラボ合同会社
代表 観光新規事業開発支援プロデューサー
野添幸太
「日本の旅をもっと便利に、もっとおもしろく、アップデートする」がミッション。
小田原を拠点に観光新規事業開発プロデューサーとして、観光コンテンツ企画開発支援と観光情報発信支援を行っています。