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船からじゃないと絶対に見られない光と水蒸気のSF空間的川崎の工場夜景

船からじゃないと絶対に見られない光と水蒸気のSF空間的川崎の工場夜景

夜の工業地帯が幻想的でSF的な世界へと変わるとき

  • 川崎の工場夜景。「K」はKawasakiの頭文字。

京浜工業地帯の中核として日本の産業発展を牽引してきた川崎市の臨海部。

海沿いには重化学工業を中心とした工場群が広がり、石油産業、鉄鋼業、エネルギー施設、物流施設など、さまざまな産業が集積しています。

今、この場所が工場夜景観光のスポットとして注目を集めていることをご存じでしょうか。

昼間は活気あふれる工場群ですが、夜を迎えると様々なプラントに作業用の明かりが点灯され、闇の中に宝石をちりばめたような幻想的でSF的な世界へと変貌するのです。

海抜0メートルからの船上工場夜景は必見

  • 屋上は手すり付きの屋上デッキ
  • 船室内は椅子に座ってゆっくり過ごせます。

川崎駅に集合し、マイクロバスで屋形船の発着所へ。

夕闇の訪れを告げる薄暮の時間から始まるクルーズのスタートは夜の冒険への出発を思わせます。

屋形船の一階は、室内でゆったりと夜景を楽しめるテーブル席。
そして、開放感溢れる屋上デッキは、海風を感じながら撮影を楽しむための絶好のスポットです。

乗船してみて気がつくのは目線の高さが海面に近いこと。

海抜0mから遮蔽物なく間近に見られる巨大な建造物が暗闇で光りを放ち、その光が水面に映りゆらめく幻想的な光景は、地上からは決して見ることのできない特別な体験となって乗客の記憶に刻まれます。

見どころいっぱい!見逃せないフォトスポットはここ

  • 煙突の先から出ているフレアスタック
  • ホワイトキャッスルの威容
  • 川崎工場夜景の象徴「プラント」

屋形船に乗ってすぐに実感するのが夜の波音の心地よさ。

その先に船を進めると聞こえてくる工場から生まれる物づくりの音。

中でも石油コンビナート等から出る「フレアスタック」と呼ばれる巨大な煙突から暗闇の中に放たれる炎、ゴウゴウと響く音は迫力満点です。

南渡田運河の中にはいると見えてくるのが、人気夜景スポットの一つと言われる化学メーカーの高さ約60メートルのプラントです。

その直線的な組み合わせによる建屋を見ているだけでも感動ものですが、それを輝かせている作業用の灯りも見事。

工場夜景ナビゲーターの間では白く輝くお城のように見えるその姿を「ホワイトキャッスル」と呼んでいるそうです。

そして川崎工場夜景の顔!パンフレットなどでも表紙を飾っているのが、まるで巨大な生き物のようなたたずまいの石油精製メーカーのプラント。

海上から見上げると直線と曲線で構成される配管の構造美はSF的であり、所々で光るオレンジ・ホワイトの照明がその美しさをさらに引き立てています。

このスポットだけでなく、海上から見ることができるどの施設も見ているだけでもワクワクするし、写真を撮っても絵になる景色ばかりで、気がつけば何十回とシャッターを切っていることに気がつきます。

夜景をもっと面白く見る!工場夜景ナビゲーターの存在

  • 水蒸気に包まれる南渡田運河沿いのプラント
  • 京浜運河沿いの石油タンク群

このクルーズの魅力は、美しい夜景鑑賞だけではありません。

乗船直後から、マイクを片手に軽妙な語り口で乗客を魅了する「工場夜景ナビゲーター」の存在。

わかりやすい言葉と比喩を交え、まるでトークショーを聞いているようにクルーズを盛り上げてくれます。

彼らは、「ようこそ!かわさき検定」(旧・川崎産業観光検定)に合格したスペシャリストであり、乗客がより深く工場夜景を楽しめるよう、船の進行に合わせて撮影スポットを案内するだけでなく、そのスポットにまつわる企業についての話、そして川崎の工業地帯の歴史まで幅広い知識をもとにとてもわかりやすく説明してくれます。

1年を通してさまざまな姿を見せる工場夜景クルーズ

  • 川崎工場夜景(遠景)

このクルーズは川崎駅発着で、5月~11月は毎週土曜日に出発、それ以外の月は第2・第4土曜日に運航しています。

船では屋上デッキでの見学もあるため、アルコールはNGなのですが、食事の持ち込みはOK。

もちろん、トイレもついていますから安心です。

毎回40名が定員ですが、中高齢層のご夫婦やグループ、写真愛好家などで満席になることが多いようです。

最近ではインバウンドのお客様も増加中ですから、早めの予約がおすすめです。

ナビゲーターの方がしきりに口にするのが、「季節によっても見える景色が違うので、おもしろい」という言葉です。

特に冬場は空気が冷たいために水蒸気がより大きく広がるので夜景としての迫力が増します。

空の透明感も増す時期なので写真を撮りたい方にも喜ばれています。

この記事を書いたライター

旅ナカラボ合同会社
代表 観光新規事業開発支援プロデューサー
野添幸太
「日本の旅をもっと便利に、もっとおもしろく、アップデートする」がミッション。
小田原を拠点に観光新規事業開発プロデューサーとして、観光コンテンツ企画開発支援と観光情報発信支援を行っています。

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