葉山の銘菓【歴旅コラム】
『日影大福』『羊羹 葉山夏蜜柑』
日影茶屋は、江戸中期に葉山鐙摺の地で立場茶屋として創業。明治26年(1893年)に御用邸が完成すると、料理旅館として大きな役割を果たした。昭和の後半には現在の日本料理店として、地元の食材を活かした会席料理の提供を開始した。旅館時代より受け継がれる、庭先での餅つきから生まれた『日影大福』は、言わずと知れた葉山の銘菓。 滋賀羽二重糯(しがはぶたえもち:もち米の品種)を使用して、毎朝つき上げる餅に、じっくりと炊いた北海道産 大粒小豆を手作業で包み、表面を香ばしく焼き上げている。
また、昭和34年(1959年)に上皇ご夫妻のご成婚を記念し、町から町民に配られた夏みかんの苗木。その夏みかんの皮を使用し、素材の風味を生かすため糖度を低く抑えて 白あんと煉り合せた『葉山夏蜜柑』。客室に隣接する、築百五十年余の内蔵は菓子舗となっており、こちらで和菓子を購入することができる。なお、客室棟および石蔵は国登録有形文化財(建造物)に指定されており、その歴史を感じられる。お菓子とともにその雰囲気を味わっていただきたい。
Column
日影茶屋
住所:神奈川県三浦郡葉山町堀内16
電話:0120-75-0014
営業時間:10:00~16:00
定休日:水曜日(祝日の場合は翌平日)
電話:0120-75-0014
営業時間:10:00~16:00
定休日:水曜日(祝日の場合は翌平日)
『乙姫最中』『つつじサブレー』
元町から森戸神社にかけて続く葉山元町商店会の店々。その森戸海岸入口近くに店を構えるのが、葉山の力餅家。 創業は昭和11年(1936年)。現店舗の斜め向いで先代が開業。昭和35年(1960年)に現在地に移転した。ロングセラーの『乙姫最中』は、かつて行われていた、森戸海岸の目と鼻の先に浮ぶ名島(菜島)の「竜宮まつり」に因んで販売を始め 現在に続く。北海道産の小豆を使用し心を込めて一個、一個手づくりしている。
また、昭和55年(1980年)3月に告示された、町の花「つつじ」を記念して生まれた『つつじサブレー』も葉山みやげとして喜ばれている。店内には、店主夫人撮影の森戸海岸のスナップショットを収めたミニアルバムが置いてあり、 買上げたお菓子の包装を待ちながら、折々の森戸海岸の写真を楽しむのもまた一興だ。
Column
葉山 力餅家
住所:神奈川県三浦郡葉山町堀内982-7
電話:046-875-0110
営業時間:9:00~18:00
定休日:水曜日・木曜日
電話:046-875-0110
営業時間:9:00~18:00
定休日:水曜日・木曜日
『ザッハトルテ』『季節の果物のパイ』『御用邸レモン』
平成25年(2013年)に独立し、葉山でお店をオープンしたフリューリング。「住宅地のさらに奥にあるので不安がありましたが、少しずつお客様に来ていただき成長させていただきました。」との店主の言葉。お店の雰囲気はとても良い。
シェフの一押しで人気のケーキは『ザッハトルテ』。ウィーンの代表的なケーキで、まわりがチョコレートでコーティングされている。
シェフの一押しで人気のケーキは『ザッハトルテ』。ウィーンの代表的なケーキで、まわりがチョコレートでコーティングされている。
また、国産の素材を使用した『季節の果物のパイ』も人気がある。葉山にちなんだ『御用邸レモン』 は、レモンと砂糖をすり合わせたものでグラスコーティングしてあるので、常温でも持ち運びができる。ショーケースの中には、たくさんの美しく美味しそうなケーキが並び、見ているだけでも楽しみなケーキ屋さんだ。
店名のフリューリングは、ドイツ語で春を意味し、店主が修行した新百合ヶ丘の「リリエンベルグ」のオーナーシェフの名前の一字をいただいたとのことです。
店名のフリューリングは、ドイツ語で春を意味し、店主が修行した新百合ヶ丘の「リリエンベルグ」のオーナーシェフの名前の一字をいただいたとのことです。
Column
フリューリング
住所:神奈川県三浦郡葉山町堀内563
電話:046-876-7520
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜日・火曜日
電話:046-876-7520
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜日・火曜日
記事提供:葉山町文化財研究会
(記事公開日:2021/2/26)