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いただきます!お坊さんの朝ごはんで感謝とおいしさを知る箱根の朝

いただきます!お坊さんの朝ごはんで感謝とおいしさを知る箱根の朝

「食」の大切さをおいしい朝ごはんを通じて伝えるお店

斎縁(saien)は箱根宮ノ下で約450年の歴史をもつ禅寺「養食山常泉寺(じょうせんじ)」がお寺のはす向かいにある古民家をリノベーションしてできた精進料理の朝ごはんを提供するお店です。

「斎」とは仏教のことばで午前の食事という意味、そして「食でつなげるご縁」をとりもつのが料理人でもある折橋副住職です。

「いただきます」という言葉は、生き物の生命をいただくということであり、食材を生産してくれた人々、調理してくれた人々、そして生命を養う自然への感謝。

禅の教えを難しいたとえではなく、「食」の大切さをもって伝えてくださいます。

和洋を組み合わせた新しい精進料理の提案

店内はこぢんまりとしていますが、縁側越しにお庭を眺められて解放感のあるとても落ち着いたたたずまい。

こちらでゆっくりと約一時間の食事を楽しみます。

メニューは精進朝ごはんコース3.300円(税込)のみ。
毎朝8時から、1日最大8名までの予約制です。

食事は先付、精進朝食膳、デザートの順にお客様のペースに合わせてゆっくりと出してくれます。

一般的に肉や魚を使わない僧侶が食べる料理のイメージが強い精進料理ですが、折橋副住職はオーベルジュでの調理経験もあることから、季節や食材に合わせて和洋にこだわらない料理を創作して提供しています。

今回いただいたコースでは、
先付けにカリッと揚げた野菜のサモサ、口当たりのよいバターナッツのスープ、そして切り干し大根の和え物にサラダがつきます。

メインとなる精進朝食膳では、揚げ出しとうふと生姜風味のきんぴら、具だくさんのお味噌汁をいただきました。

そして、麦ごはんにぴったりの自家製の梅干しとたくあんは副住職自らが漬け込んだものだそうです。

デザートはバナナケーキ。豆乳のクリームが絶妙です。

お料理にはお肉もお魚も一切使われていませんが、食べ進めていくとほどよい食感と量、しっかり目の味付けでおなかが満たされていくのを感じていきます。

最後まで創意工夫が凝らされたお料理に大満足でした。

すべてひとりでまかなう中、調理だけでなく客様への声掛けや気配りも行き届いており、ゆったりとした朝の時間を過ごせました。

心温まるおもてなしに感謝のひとときでした。

箱根の朝ごはん事情 長期滞在の方、素泊まりの方、インバウンド外国人が増えています

箱根は人気の観光地ですが、宿泊施設の食事付きプランが多いため、朝食提供のレストランは少ないという現状があります。

特に、精進料理を提供する店は数が限られているため、長期滞在者や素泊まりの方、そしてヴィーガンやベジタリアンを含む外国人観光客にとっては、朝ごはんの選択肢が限られており、不便を感じている人が多いようです。

「斎縁」はこのような状況の中、他にはない精進料理の朝食を提供することで、多くの客を集めています。

斎縁の朝食は、肉や魚を使わないという点で、ヴィーガンやベジタリアンのニーズにも合致しており、SNSでの口コミや、「箱根 ヴィーガンレストラン」といった検索キーワードを通じて遠方から訪れる方や、外国人観光客も増えているそうです。

創意工夫でお寺の役割のあり方を変える

折橋副住職は『お坊さんが作る精進料理を体験してもらう』新たな試みを始めました。

そして修行の後、僧侶の仕事と並行して飲食の道を進み、得た知見を活かして精進料理の技術を習得してきました。

特に、食を通じて得た学びや食材を最大限に引き出す創意工夫は、副住職の大きな強みとなっています。

「斎縁」というお店は、観光地である箱根という立地を活かし食を通して多くの人々とのつながりを深め、寺が果たす役割を現代に合った形へと進化させていく試みから生まれました。

箱根の温泉にゆっくりとつかった翌朝には、斎縁のゆったりとした時の流れる空間にしばし身を置き、「食」のありがたみを感じながらおいしい時間を過ごしてみませんか?

この記事を書いたライター

旅ナカラボ合同会社
代表 観光新規事業開発支援プロデューサー
野添幸太
「日本の旅をもっと便利に、もっとおもしろく、アップデートする」がミッション。
小田原を拠点に観光新規事業開発プロデューサーとして、観光コンテンツ企画開発支援と観光情報発信支援を行っています。

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