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コウホネ(河骨)の花【花コラム】

コウホネ(河骨)の花【花コラム】

コウホネ(河骨)とはどんな花なのか。絶滅危惧種の小さな、黄色い可憐な花を見ることができますよ。

■紹介するスポット
菊名池のコウホネ(河骨)の花

※本コラムは、かながわガイド協議会構成団体である「NPO法人 神奈川区いまむかしガイドの会」より寄稿いただきました。

何故、そんな名前がついたのでしょう!

コウホネ(河骨)はスイレン科、コウホネ属に分類される水生植物です。
水生植物は浮葉、抽水、浮遊、沈水に分けられ、コウホネ(河骨)はその中の抽水植物に分類されます。
根が水面下、茎や葉が水面上に伸びているのが特徴。
底泥中を這う白い地下茎が骨のように見えるため、「河の骨」の意でこの名がついたと言われています。
日本全体としては絶滅危惧等に指定されていませんが、河川改修、圃場整理などによって激滅しており、神奈川県では最も危惧度の高いカテゴリ「絶滅危惧Ⅰ類」に指定されています。
水面から顔を出している小さく貴重な花を、是非水辺で探してみてください。きっと心が和むことでしょう。

コウホネ(河骨)はどこで、いつ見られるのか。

コウホネ(河骨)の花が見られるのは菊名池。
「菊名」と言ってもJRや東急東横線の菊名駅からではなく、東急東横線妙蓮寺駅から歩いて2~3分のところにあります。
コウホネ(河骨)の葉はスイレンやハスに似ていますが、花は黄色。夏(5~9月)になると大きな葉の間から太めの茎をのばして、水面から先に直径3~5cmほどの花を咲かせます。
小さいながらもシンプルでとても美しい花をぜひご覧ください。

菊名池って、どんな池!

菊名池は、かって湧水池で平安時代より灌漑用水として大切にされ、池には龍神が住むという伝説もあります。
昔は一つの広い池であった菊名池は、谷戸を水源とする3本の小川が流入し、その大きさは東京ドームほど広さです。
池の水は菊名、大豆戸、太尾などの農地を潤す主要な用水であり、池の北端から鶴見川へ向かって用水路が流れ出していました。
池の中央に水道道が横切り、昭和30年代前半に菊名橋が架けられました。池はボート遊びなどができるデートスポットでもあったようです。

菊名池にコウホネ(河骨)が繁茂?

昭和7年(1932)に東横線が全線開通して妙蓮寺駅が開業しました。
駅から水道道沿いは急速に宅地化が進み、家庭雑排水が菊名池に入り込んだため、市は昭和47年(1972)に港北下水処理場(現港北水再生センター)を完成させました。
下水処理場によって菊名池が干し上ることを心配し、水道道の北側だけを池として残して南側にはプールを造っため、プールと池のある現在の菊名池公園となりました。
このことで、池は一割程度と小さくなりましたが、昔の面影を残し今でも季節ごとに多くの水鳥が訪れています。
平成20年(2008)頃に「かいぼり」を行い、池全面を埋めるように繁茂していたハスを除去し、その後スイレンが減少し、今のコウホネ(河骨)が繁茂したようです。

※「かいぼり」とは
かいぼりは、池や沼の水をくみ出し魚などの生物や泥をさらい、天日に干すこと。

この花にも花言葉があり、俳句の季語にも!

コウホネ(河骨)の花言葉の一つに、「秘められた愛情」というのがあります。コウホネ(河骨)の花びらのように見える部分は、実はガクなんです。
花弁、雄しべ、雌しべは退化していて花の内側に収まっている様子から「秘められた愛情」に見えるのでしょうか。
また、山口素堂の「河骨の終にひらかぬ花盛り」などの俳句にあるとおり、夏の季語でもあります。
生け花に使用されたり、乾燥させたものは川骨(せんこつ)と呼ばれ、生薬とされていて、解熱、鎮痛を目的とした漢方に配合されているそうですよ。

このような黄色い、美しい、素朴な花を是非見つけ、ひと時を楽しんでみてはいかがですか。

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