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菩提樹の花咲く日本遺産「浄光明寺」へ【花のコラム】

菩提樹の花咲く日本遺産「浄光明寺」へ【花のコラム】

鎌倉・浄光明寺は、歴史ある静かなお寺です。
6月初旬に咲く菩提樹の花は深遠な香りを放ち、訪れる人を楽しませています。

■紹介するスポット
浄光明寺

※本コラムは、かながわガイド協議会構成団体である「NPO法人 鎌倉ガイド協会」より寄稿いただきました。

心を浄化する菩提樹の花

お釈迦様は菩提樹の下で悟りを開いたとされます。
その菩提樹はインドボダイジュですが、日本にあるのは中国から来た菩提樹と言われています。
鎌倉五山寿福寺を開山した栄西禅師が、中国の天台山から葉の形がインドボダイジュに似ているので持ち帰ったものが、日本における菩提樹とされました。
その花の香りは、心身を浄化すると言われています。

楊貴妃観音が迎えてくれます

境内には「楊貴妃観音」と呼ばれる石造観音像があります。
原型は、総本山である京都「泉涌寺」に祀られている宋より請来された「観音菩薩像」で、その美しさ故に楊貴妃にまつわる伝説が生まれたのだそう。像の傍には紫式部の「源氏物語」にも大きな影響を与えた唐の詩人白居易による「長恨歌」が添えられ、楊貴妃に因む未央柳(ビヨウヤナギ)が植えられています。

ビヨウヤナギは楊貴妃の宮殿「未央宮」の柳から

楊貴妃の美しさは「顔は太液池の芙蓉(本来蓮の花を指します)、眉は未央宮の柳」と例えられています。
日本でいう「未央柳」は長い雄しべを持つ花の美しさと、柳のような葉の形から、江戸時代に中国から日本に来て名づけられたもの。
実は、「未央柳」は柳ではなく、オトギリソウの仲間です。
唐の玄宗と楊貴妃が長生殿で愛を誓ったとされる7月7日といえば、鎌倉の歌聖と仰がれた藤原俊成、定家父子を祖先に持つ「和歌の家」である冷泉家が、宮中の七夕の伝統を今に伝えています。
境内最上部にはその祖である冷泉為相の墓とされる、石造宝篋印塔(ほうきょういんとう)があります。

泰山木(タイサンボク)はアメリカから日本に来た樹

タイサンボクはアメリカ南東部原産のモクレンの仲間で、明治初期に日本に移入されました。
5月から6月、普通は高い所にお椀型の白い大きな花を咲かせるのですが、この浄光明寺のタイサンボクの花は人の顔の近くで咲くものがあり、その爽やかな香りを楽しむことができます。
風格ある樹形からハスのような花が咲くタイサンボクと、趣深い寺が調和した様子をお楽しみください。

イワタバコは鎌倉石の崖に

鎌倉では日陰の鎌倉石の崖に、5月ごろから星形をしたイワタバコがひっそりと咲きます。
浄光明寺の階段を上ると、紅紫の花を下向きに咲かせるイワタバコが見られます。
昔は、この葉を野菜として食べていたようですが、今は少なくなりましたので、触らないようにお願いしますね。
この花の不思議なところは、崖に生えているため種子は下に落ちてしまうと思うのですが、花の上側にも新しい子供が芽生えること。
花が終わると花茎が長く伸び、種子ができる頃に花茎が上下運動をし、種子をより高い位置に蒔くというのです。
なお、鎌倉ガイド協会でガイドを11年務めていますが、まだ見たことがありません。(記事TA&MA)

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