横浜金沢の伝統的な花と樹木【歴旅コラム】
金沢八名木
江戸時代になり、金沢が観光地として賑わうようになると、観光名物として「金沢八景」と共に「金沢八名木」も有名になりました。金沢八名木には、諸説ありますが、「青葉楓(あおばのかえで)」、「西湖梅(せいこうめ)」、「黒梅(くろうめ)」、「桜梅(さくらうめ)」、「文殊桜(もんじゅざくら)」、「普賢象桜(ふげんぞうざくら)」、「蛇混柏(じゃびゃくしん)」、「雀浦一松(すずめがうらのひとつまつ)」の8本です。前の6種は称名寺境内にありましたが、今残っているのは何代目かの青葉楓のみです。なかでも「西湖梅」は「八房」と呼ばれる品種で、一つの花に雌しべが8本あり、一つの花に8個の実がなることもある珍種です。
西湖梅の着果(写真提供:杉戸正直氏)
現在金沢区では、金沢八名木の復元を目指しています。平成30年(2018年)、区制七十周年を記念し、泥亀公園(でいきこうえん)と区庁舎敷地内に、「西湖梅」を含む推定樹種および近縁種の樹木7種(黒梅を除く)が植栽されました。平潟湾プロムナードの花々と木々
京浜急行及び横浜シーサイドライン「金沢八景駅」から国道16号線を超えると、平潟湾(ひらかたわん)沿いに夕照橋に至る約1kmの散歩道、「平潟湾プロムナード」があります。この道はココスヤシ、フェニックスヤシ、シュロ、ソテツ、キョウチクトウ、シャリンバイなど多種類の植物が植え込まれた南国風の遊歩道です。ヤマモモ、センダン、ヤマボウシ、クス、クロガネモチ、タブノキや金沢区の木であるヤマザクラもあります。
他にもびん洗いのブラシにそっくりな真っ赤な花をつける、オーストラリア原産のブラシの木が植わっており、散歩しながら四季折々の多種多様の花、新緑、紅葉を楽しむことができます。
旧伊藤博文金沢別邸の牡丹
平潟湾プロムナードから夕照橋を渡ると野島に入ります。島には標高約57mの野島山があり、山頂の展望台からは横浜八景島、横浜MM21地区、スカイツリーや房総半島、三浦半島、遠くは富士山を望めます。
野島山の麓には市指定有形文化財である旧伊藤博文金沢別邸があり、庭続きに牡丹園があります。これはかつて野島にあった永島家の牡丹園を復元したものです。江戸時代から永島氏の屋敷内にあった牡丹園は特に有名でした。「泥亀の牡丹」と人々から呼ばれ、昭和初期まで老木百種、大輪の花が美しく咲き誇っていたそうです。永島氏は泥亀新田(でいきしんでん)の開拓者で、一族の墓所は龍華寺(りゅうげじ)にあり、ここの牡丹もまた有名です。ちなみに、牡丹は横浜市金沢区の花です。
野島山の麓には市指定有形文化財である旧伊藤博文金沢別邸があり、庭続きに牡丹園があります。これはかつて野島にあった永島家の牡丹園を復元したものです。江戸時代から永島氏の屋敷内にあった牡丹園は特に有名でした。「泥亀の牡丹」と人々から呼ばれ、昭和初期まで老木百種、大輪の花が美しく咲き誇っていたそうです。永島氏は泥亀新田(でいきしんでん)の開拓者で、一族の墓所は龍華寺(りゅうげじ)にあり、ここの牡丹もまた有名です。ちなみに、牡丹は横浜市金沢区の花です。
海の公園の御衣黄桜(ぎょいこうざくら)
海の公園は乙舳海岸を埋め立てて造成した人工海浜公園です。約1kmの砂浜が広がり海水浴や潮干狩りを楽しむことができます。砂浜の隣には緑地が整備されており、その中に緑色の花を咲かせる御衣黄桜が数本植えられています。開花した花は淡い緑色で、徐々に黄緑色に変化し、やがて花びらの中心部が赤くなってきます。この桜は、江戸時代に京都の仁和寺で栽培されたのが始まりとされています。春の海の公園は桜をはじめ色とりどりの花に溢れています。
記事提供:NPO法人 横濱金澤シティガイド協会
(記事公開日:2020/12/18)