湯のまち湯河原の雄大な自然を背景とした梅の名所【歴旅コラム】
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湯河原 梅林
幕山という山があります。箱根火山の火山活動の一つとして、約15万年前の噴火で誕生した標高626mの山で、箱根ジオパークのジオサイトとして選定されています。頂上からは相模湾が一望でき、都会から近い手頃な低山ハイクの山として人気があります。また、柱状節理の岩壁はロッククライミングの練習場としてクライマーには知れ渡っている山です。
その山の裾野に28種約4000本の梅が植えられ、早春を彩る絶景ポイントとなっています。
その山の裾野に28種約4000本の梅が植えられ、早春を彩る絶景ポイントとなっています。
昭和29年(1954年)に、崖崩れ防止と将来の観光スポットとするために植えたのが始まりで、以来年々増やし、平成に公園としての整備がなされ現在に至っています。その美しい様は「日本の美しい風景」の準百選にも選ばれています。
梅林内に張り巡らされた散策路に足を踏み入れると、花のほのかな香りや町の鳥メジロのさえずりに、いち早く春の息吹が感じられます。
梅林内に張り巡らされた散策路に足を踏み入れると、花のほのかな香りや町の鳥メジロのさえずりに、いち早く春の息吹が感じられます。
梅は昔から好まれ、万葉集に謳われている草木では萩に続いて多いそうです。郷土の俳人黛執氏は次のように詠んでいます。
“梅ひらく 一枝を水に さしのべて”
“梅ひらく 一枝を水に さしのべて”
梅林最高地点から見下ろす眺めは、さながら白・桃・紅の色で織られた絨毯を敷き詰めたようで、雄大な自然の中に咲き誇る様は、他の梅林や梅園では得られない見所となっています。
毎年2 月上旬~3 月上旬に“梅の宴”と称する梅祭りが開催されます。その会場でしか食べられない梅ソフトは隠れた逸品で人気があります。
“梅の宴”の詳報につきましては、毎年1月~会期末までの間、湯河原町のホームページに掲載されます。イベント情報や観光ボランティアによる無料ガイドなどの情報もございますので、皆様のお越しをお待ちしております。
https://www.town.yugawara.kanagawa.jp/
アクセス:湯河原駅よりバス「幕山公園行き」15分、終点「幕山公園」下車
ちょっとだけ品種のご紹介コーナー
輪違い(りんちがい) 白と桃色が気ままに咲き分ける美しい品種です。“思いのまま”の別名があり、よく盆栽でも仕立てられています。 |
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緑萼(りょくがく) 萼の色が緑色で、白色の花に透けて色が出ることから花色が黄緑色に見える美しい花です。この八重咲きや枝垂れも多く植えられています。 |
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紅千鳥(べにちどり) 雄しべの一部が花弁化する様を千鳥に見立てて名前が付けられたそうで、紅梅の代表品種として庭木としても好まれています。 |
写真提供:さいとう眞由美氏、信田文夫氏、山口光彦氏
記事提供:湯河原観光ボランティア
(記事公開日:2020/12/18)