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矢倉沢往還とは【歴旅コラム】

矢倉沢往還とは【歴旅コラム】

「矢倉沢往還」の名前は、当時の道の名が行き先を唱えることが多いということから、矢倉沢関所を行先とした往還(行きかう道)であったことからと推測されます。この道の別名は、大山道、富士道、青山街道、相州街道など(『神奈川県史』)ともいわれ、武蔵・相模・駿河・豆州・信州・甲州へも繫がる道筋で、物資運搬の「経済の道」といわれています。一方、江戸時代中期以降、「講」と称する民衆の集団参詣が大変活発になり、富士山、大山、最乗寺などへの参詣のための「信仰・旅の道」ともいわれています。

 秦野市観光ボランティアの会では秦野市の善波峠からスタートし、南足柄市の足柄峠までの矢倉沢往還を5回に分けガイドしています。今回は、その第1回目となる善波峠を巡るコースをご紹介します。

水無川

『新編相模国風土記稿』の「曽屋村」の項には、水無川について「幅河原共百三十間余(およそ240m)」とあり、名前のとおり「平時水涸、河原を往来」し、高さ6尺の堤があったと記録されています。

四つ角

秦野市の市街地の中心部に当たる「四ッ角」は、矢倉沢往還と平塚道が交差する場所で、周辺は「十日市場(トーカチパ)」と呼ばれ、その名の通り古くから市が立ち、江戸時代には矢倉沢往還と大山道の人馬継立を行っていました。

道標(地蔵塔)

善波峠の西方約400mの地点に、矢倉沢往還から弘法山の北麓をまわって、金目観音に向かう道との交差点があり、道標を兼ねる地蔵塔が建てられています。地蔵塔の右面には「か奈い道」、左面には「十日市場道」と刻まれ、背面には「伊勢原道」と刻まれています。

弘法山公園

浅間山、権現山、弘法山の3つの山一帯を弘法山公園と呼び、県立自然公園にも指定されています。春には、園内にある1400本以上の桜が咲き誇り、桜の名所としても有名で、「かながわの花の名所100選」に選ばれています。夏のアジサイ、ヤマユリ、秋の紅葉など、四季折々の美しさがあり、ハイキングや散策に最適です。

善波峠切通し

伊勢原市との境に位置する善波峠の頂は、切通になっていて、6基の石造物が建てられています。昭和初期に善波隧道ができるまでは、相当な人通りがあり、茶屋もありました。

出羽三山供養塔

江戸時代後期に出羽三山の修験者が各地を巡回し、この地で病となり、この世を去りました。土地の人がその修験者を梵天さんと呼び、供養のため供養塔を建てました。

鶴巻温泉、弘法の里湯

井戸水が塩分を含んでいること、また渋味が強いことから、浴用にしたのが始まりといわれています。効能は、カルシウムが豊富で、神経痛、婦人病、外傷などに効果があると言われています。大正時代は、平塚駅から秦野方面に馬車などが通じていて、大山詣の客が多く立ち寄ったそうです。
「弘法の里湯」は、気軽に楽しめる公営の日帰り温泉です。

そして、鶴巻温泉駅に到着します。ぜひ皆様も矢倉沢往還を歩いてみてはいかがでしょうか。

記事提供:秦野市観光ボランティアの会

参考文献 矢食沢往還ウォーキングガイド(秦野市歴史博物館生涯学習課)
秦野ふるさとめぐり(秦野市教育研究所)

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