やぐらとは、岩崖に四角い横穴を掘り、その中に石塔を建てて死者の骨を納めて供養する施設で、鎌倉時代後半から室町時代前半にかけて、おもに鎌倉とその周辺地域でのみ造られた特殊な遺構です。史跡名越切通の中にあるまんだら堂やぐら群は、確認されているだけで150穴以上で構成される有数の規模をほこるやぐら群で、保存状態が良いやぐらをこれだけまとまった形で見ることのできる場所は鎌倉市内にもほとんどありません。多数の横穴が幾重にも重なって連なる眺めは独特かつ壮観です。