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【かながわDMO編集コラム】日本遺産認定・江戸時代の「粋」な文化「大山詣り」と「江ノ島詣り」を楽しむ

【かながわDMO編集コラム】日本遺産認定・江戸時代の「粋」な文化「大山詣り」と「江ノ島詣り」を楽しむ

こんにちは!かながわDMO記事担当・Hです。

先日、大山阿夫利神社へ行ってまいりました。宮司さんから伺った話によると、大山阿夫利神社への参拝、いわゆる「大山詣り」が江戸時代の人々に大流行し、さながら「若者が渋谷に行く」ような、大変「粋な」文化だったことがわかりました。その他、大山阿夫利神社と江ノ島との関係など、興味深いエピソードが満載で大変意義のある視察になりました。今回は、その中から「大山詣り」にスポットを当ててご紹介したいと思います。

  • 参道
  • 神聖な雰囲気です
  • ケーブルカーの景色
  • こま参道はレトロな趣き

実は江戸っ子たちの大人気観光地だった大山阿夫利神社

古くは雨乞い、武運長久を祈願して信仰されてきた大山ですが、江戸時代には庶民の娯楽として「大山詣り」が流行し、20万人が参拝した記録もあります。なぜ、江戸時代に大山詣りが流行したのかを掘り下げていくとともに当時流行していた「大山詣り」と「江ノ島詣り」の関係性についてもお話してまいります。

2,200年以上前に創建されたと伝えられる大山阿夫利神社は、山岳信仰の対象として知られており縄文土器が発掘されるなど大変歴史が古い神社。中世以降は源頼朝をはじめ、北条氏や徳川氏などの歴史的な武人たちが「武運長久(戦場での幸運が続き、武士として長生きすること)」を祈る聖地として信仰してきました。

江戸時代に入ると今度は多くの庶民も大山に参拝し行楽を兼ねた旅が広がりました。これは日本人の旅行スタイルの原型とも言われています。この様子は「大山詣り」と呼ばれ、現在は日本遺産に認定されています。

大山詣りは江戸時代に大変な人気を誇り、江戸の人口が100万人という時代に20万人が参拝に訪れたと記録が残されています。また、当時の江戸っ子たちにとって、大山詣りを行うことが「粋」であるとされ、一部の地域では大山へ登らないと大人と認められないというほど人生の通過儀礼の一つにもなっていきました。大山詣りが当時の大人のたしなみだったわけですね。

大山阿夫利神社には鎌倉時代に源頼朝公が武運長久を祈願して刀を収めたことに由来する「納太刀(おさめだち)」の文化があり、江戸時代の人々は、その文化を模して、身の丈ほどもある木太刀を携えて、大山詣りをするようになりました。当時の江戸っ子にとっては大変に「粋」な行いだったと伝えられており、その様子は江戸時代の浮世絵や落語でも残されています。これは他にはない独特な文化で、時にはその刀の大きさを競ったとも言われています。納められた刀のいくつかは現在も神社で展示され、見学することができます。およそ3~4mの木太刀は相当な重さですが、江戸時代の人々は、これを担いでやってきたのです。移動手段も少なかった時代を思うとびっくりです。

現在は、大山のふもとまでは都心から電車とバスを乗り継いで2時間ほどの距離になり、交通はとても便利になっていますが、阿夫利神社まで運んでくれるケーブルカーの駅までは石段を1歩ずつ自力で上っていきます。上りの急な石段は、当時の大山詣りを思わせるほどですが、道中は各種のお土産店や大山名物の豆腐料理がいただける飲食店が並ぶレトロな「こま参道」が続きますので、疲れたら一休みしながら向かうのがいいでしょう。


また、当時の江戸っ子たちは「大山詣り」の後には「江ノ島詣り」といって、江島弁財天に参拝するのが定番のルートとなっていました。江ノ島は江戸からも近かったこと、風光明媚な場所であることから人気の観光地で、また、江島弁財天は歌舞音曲や芸能の神様としても知られることから、女性人気が大変高かったと言われています。

実は、大山は男性の神様、江ノ島は女性の神様で、それぞれを参拝する「両詣り」が大変ご利益があると言われていました。これには富士山が関係しているのですが、それは別の機会にお話しましょう。この習わしは古典落語「大山詣り」でも語られているほどブームとなっていたようです。江戸時代はこの2か所を参拝した後に、精進落としとして江ノ島で獲れる新鮮な海産物を食べるのが定番だったと伝えられています。そんな江戸っ子も体験したであろう大山から江ノ島までのルートを再現してみるのも楽しいかもしれません。

江戸っ子たちに大人気だった「大山詣り」、そして余裕があれば「江ノ島詣り」をして、当時最も「粋」と言われた行楽を味わってみてはいかがでしょうか。


〇外国人によるおススメポイント


・The Afuri jinja is a place where travelers can spend an entire day. There is good food, great scenery, interesting souvenir shops and cafes, not to mention the shrine itself and the mountain climbing that pilgrims can do.

・When you reach Afuri jinja after taking the ropeway, you can enjoy the mystical atmosphere of the shrine, and the superb view of Sagami Bay. Special mention for the cute café next to the shrine.

かながわDMOでは、県内各地を巡り、皆様にお楽しみいただけるコンテンツやスポットの情報収集を進めています。この「かながわDMO編集日記」では、皆様にお楽しみいただけるスポットやそれにまつわるエピソードをご紹介してまいります。

次回もお楽しみに!

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