旅のプランニング


お役立ち情報


このサイトについて

里山に群生する彼岸花を愛で、秋の訪れを満喫しましょう【花のコラム】

里山に群生する彼岸花を愛で、秋の訪れを満喫しましょう【花のコラム】

彼岸を待っていたかのように咲く彼岸花。それは赤い帯を長く広げたような美しい景色です。伊勢原・日向の彼岸花は「かながわ花の名所100選」に選定され、里山の風景の中に群生する彼岸花を楽しむ事ができます。

■紹介するスポット
伊勢原・日向地区の彼岸花群生地

※本コラムは、かながわガイド協議会構成団体である「いせはら観光ボランティアガイド&ウォーク協会」より寄稿いただきました。

伊勢原・洗水(あろうず)地区の彼岸花

伊勢原・日向地区に咲く彼岸花は大きく3つの群生地に分けられます。それぞれの見所を順番に紹介します。
一つ目は、伊勢原駅からバスで15分ほどの洗水(あろうず)バス停からすぐの洗水地区群生地畑の中に散策路が設けられ、近くには蓮の池や飛鳥時代初期の古墳もあります。洗水という珍しい地名は源頼朝一行が娘の大姫の病気平癒のために日向薬師に参詣の折、川で汗を流し、馬を洗ったという故事から名付けられました。

伊勢原・藤野地区の彼岸花

散策を続けて行くと二つ目の藤野地区の群生地が見えてきます。住宅地と田んぼの間に彼岸花が咲き、ヤギが土手で草を食んでいる牧歌的な雰囲気を味わいながら、ヤギと彼岸花をバックに写真が撮れるかもしれません。尚、藤野入口バス停で下車すると、土手に自生する彼岸花の仲間のキツネノカミソリを見ることができます。開花時期は彼岸花よりも早く8月中頃で、やや小ぶりで黄赤色の花が特徴。葉の形がかみそりに似ているのでこの名が付いたようです。

頼朝も騎馬行列で詣でた薬師様

更に歩みを進めると伊勢原が誇る文化財の宝庫、日向薬師に近づきます。せっかくですので立ち寄って参拝しましょう。日向薬師は、東大寺建立にも貢献した行基により奈良時代に開創されたのが始まりとされ、1300年の歴史を持つ古刹です。霊気漂う深山の雰囲気を感じながら、表参道の石段を上ると、境内に着きます。境内の囲いの中に白い彼岸花がひっそりと数本咲いており、赤い彼岸花に慣れた目には新鮮に映ります。御本尊の鉈彫(なたぼり)薬師三尊、十二神将などが国指定重要文化財になっており、鎌倉時代には源頼朝や妻の北条政子、実朝夫人などが参詣しました。『百人一首』に選ばれた平安時代の女流歌人、相模も眼病平癒に参籠したと伝わります。

薬師の後は棚田と彼岸花の競演

林道を下っていくと三つ目の彼岸花群生地が現れます。黄金色に輝く稲穂が棚田のように広がる田んぼと彼岸花は、近くに迫る山々の緑と相まって、どこか懐かしい里山の雰囲気を思い出させてくれます。他の群生地も同じですが、地元の方が農道を開放し、一方通行にして狭い散策路をスムーズに通ることができるように気を使ってくださっているからこそ、美しい風景を楽しめることに感謝の気持ちを忘れないようにしたいものです。

彼岸花のあれこれ

そもそも彼岸花はなぜ道端や田んぼの畔の近くで咲くのでしょうか?
彼岸花は縄文時代に稲と一緒に大陸から渡って来ました。球根には毒があるため、群生させることでモグラやネズミを近づけないようにし、動物たちが掘る穴による田んぼの水の流出を防ぐ目的で植えられたと言われています。また、毒は水にさらせば除去でき、飢饉のときは食料としました。「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざの通り、夏の暑さが和らぐ彼岸の頃、彼岸花のあれこれも思いつつ、のんびりと観賞してみてはいかがでしょうか。

当サイトでは利便性の向上のため、Cookieを使用しています。
サイトの閲覧を続行した場合、Cookieの使用に同意したことになります。
詳細はクッキーポリシーをご確認ください。