葉山町のおすすめ景勝地【歴旅コラム】
かながわの景勝50選 森戸の夕照
葉山町の魅力は、種々の野鳥が棲むハイキングに適した山々はもちろんだが、なんといっても海の眺望である。葉山町森戸海岸の景観は特に素晴らしい。三浦半島の付け根に位置し、鎌倉・逗子の海岸が南西向きに対し、葉山町の森戸海岸は西向きに海に面している。西向きに面していることで、相模湾の海景、江の島の彼方に富士山の山容を望み、夕照を眺めるのがおすすめ。特に年2回のダイヤモンド富士は一見したい。
森戸神社境内の駐車場の先端(森戸岬)は、目前に海が開ける絶好の景勝地である。ここにいくつもの石碑が立ち並ぶ、これらの石碑を見て景観と葉山の歴史を楽しみたい。蛭ヶ小島に配流中の源頼朝は三島明神に源氏再興を祈願していた。治承4年(1180年)、旗揚げが成功したので、頼朝は社領を寄進し、その分霊を勧請して森戸神社を創建したと伝えている。
あじさい公園
眺望といえば、堀内のあじさい公園からの富士山がさらに素晴らしい。あじさい公園は三ヶ岡の中腹にあり、数千本のあじさいが植えられている。この公園の場所には、かつて明治26年に建てられた、富士が一望できる西洋風のホテルがあって多くの外国人に大変親しまれていたようです。
この平山ホテルは大正の初めには廃業し、土地は昭和47年に町に寄贈された。この平山ホテルに使われていたジェラール瓦が、現在福祉文化会館の中庭のベンチの背あてに使われています。ジェラール瓦はフランス人のジェラール氏が横浜で製作した瓦で、主に洋館に使用されていた。
このあじさい公園からは、眼下に森戸海岸を含め堀内地区が一望できるとともに、相模湾、江ノ島、箱根・丹沢山系、富士山、天城連山が見渡せる高台なので、ぜひ冬の晴れた空気の澄んだ日に、この景観を堪能していただきたい。
この平山ホテルは大正の初めには廃業し、土地は昭和47年に町に寄贈された。この平山ホテルに使われていたジェラール瓦が、現在福祉文化会館の中庭のベンチの背あてに使われています。ジェラール瓦はフランス人のジェラール氏が横浜で製作した瓦で、主に洋館に使用されていた。
このあじさい公園からは、眼下に森戸海岸を含め堀内地区が一望できるとともに、相模湾、江ノ島、箱根・丹沢山系、富士山、天城連山が見渡せる高台なので、ぜひ冬の晴れた空気の澄んだ日に、この景観を堪能していただきたい。
かながわの景勝50選 長者ヶ崎
もう一ヵ所、素晴らしい景勝地がある。長者ヶ崎である。長者ヶ崎は葉山町の南端で、横須賀市との境に位置し、大楠山系の峰山(三根山)が西に突き出した岬で、遥か富士を望み、大島が眼前に見え、ここも夕陽が美しい岬として知られている。土地の古老は現駐車場海側の屏風のような岩を「峠山」、その奥の岬を「尾ヶ崎(おがさき)」または「鵜ヶ崎(うがさき)」と呼んだ。南側(横須賀)は大崩、北側(葉山)は白石という小字である。昔は峠山と尾ヶ崎の間は舟が通れたが、大正12年の関東大震災で土地が隆起し陸続きになった。
古い三崎街道は、駐車場の先端部付近の岩場を通って峠山を超える細い道だったそうだ。長者ヶ崎の南方約500mに「尾ヶ島」があり、切り立った峠山が大蛇の背のようで、峰山には尾ヶ島に尻尾を現した大蛇が棲んでいたという伝説があった。北側に「長蛇園」という旅館があったが、旅館名が気味悪い名というので「長者園」に改めたことにより、「長者ヶ崎」と呼ぶようになったという証言もある。長者園は旅館として繁盛していたが、戦後、廃業してしまった。
記事提供:葉山町文化財研究会
(記事公開日:2020/11/17)