小田原の意外な花と木の紹介【歴旅コラム】
さて、二回目の今回は小田原の花木の紹介をしたいと思います。
小田原城では季節により、梅の花から始まり桜、藤、蓮、紫陽花、花菖蒲などがお城の引き立て役として乱舞しますが、今回紹介するのは小田原城から飛び出して、意外な花と木を紹介したいと思います。
根府川駅とカンナの花
根府川駅は関東大震災で一度は流出し犠牲者も多く出しましたが、翌年には復興。風光明媚な高台の位置にあり、元旦には初日の出を拝む絶好の駅となっております。
線路わきにカンナの花が揺れ、眼下に相模湾のきらめく・・・・そんな情景を詩人の茨木のりこさん (1926-2006)は作品「根府川の海」で詠み、戦争で失った青春への万感を込めました。戦後75年を経ても、花はあの時のように咲いています。茨木さんは昭和20年(1945年)8月15日の終戦の日の翌日、学徒動員先の工場から実家のあった愛知県へ帰る途中、根府川駅を通りました。その時の記憶が、8年後の昭和28年(1953年)に発表された「根府川の海」に描かれています。
現在は駅反対側の道路に多数のカンナが植えられています。
JR根府川駅下車すぐ
線路わきにカンナの花が揺れ、眼下に相模湾のきらめく・・・・そんな情景を詩人の茨木のりこさん (1926-2006)は作品「根府川の海」で詠み、戦争で失った青春への万感を込めました。戦後75年を経ても、花はあの時のように咲いています。茨木さんは昭和20年(1945年)8月15日の終戦の日の翌日、学徒動員先の工場から実家のあった愛知県へ帰る途中、根府川駅を通りました。その時の記憶が、8年後の昭和28年(1953年)に発表された「根府川の海」に描かれています。
現在は駅反対側の道路に多数のカンナが植えられています。
JR根府川駅下車すぐ
早川のビランジュ
ビランジュ 別名バクチノキ
箱根ターンパイクの入り口から300m、石垣山北側の凹地の50mの崖の急斜面に生えている巨木。株元周囲はおよそ6m、別名バクチノキと言われるのは樹皮の剥がれる様子からうまれました。賭け事して大負けして、身ぐるみはがされた状態みたいですね。小田原から東北部にはほとんど見られず、植物分布上の東北限にある巨木であることから、学術上貴重なものとして国指定の天然記念物となっています。人間との対比でもいかに大きな木かわかりますね。くれぐれも賭け事には気を付けましょう。
JR早川駅から徒歩約20分
小田原フラワーガーデンのヒスイカズラ
初めてこの花を見た方は、おそらく感動に浸るに違いありません。花の色に対する今までの概念が、全く違っていたことを実感します。
オオコウモリが受粉を助けるというこの花、長さ40cmから1m程度の蔓に、花房が幾つも垂れ下って咲く姿は壮観です。花色は宝石の翡翠に似て青緑色で、まさに自然の女神が創造したと思わせるような神秘的な色合いです。花は長さ7cm、幅2cm程度の大きさで、形は半円形でオウムの嘴に似ています。開花時期は3月から5月、数日間で終わり、花はボトッと落ちます。一度見たら忘れられない花のひとつになること間違いなしです。
JR小田原駅東口、伊豆箱根バス、フラワーガーデン・諏訪野原公園行バス・30分
記事提供:NPO法人 小田原ガイド協会
(記事公開日:2020/12/18)