馬入・光と風の花づつみ 相模川のお花畑【歴旅コラム】
馬入ふれあい公園
江戸時代、幕府は大きな河川に橋をかけることを禁止しました。そのため、相模川(馬入川)や多摩川(六郷川)は「渡し船」、酒匂川は「徒歩(かち)渡し」などで渡っていました。相模川には60以上の渡し場がありました。大動脈である東海道の渡し場は、「馬入の渡し」と呼ばれ、幕府が管理し、周辺村々の負担によって成り立っていました。
JR平塚駅からおよそ1kmの相模川の堤防に「馬入の渡し」碑があります。
JR平塚駅からおよそ1kmの相模川の堤防に「馬入の渡し」碑があります。
この渡し場の碑のある周辺は、今は「馬入ふれあい公園」が広がっています。馬入ふれあい公園は、相模川の河川敷と堤防を含む広大な空間を生かした大きな公園で、アリーナやサッカー場があります。また、公園の南側には、大型遊具がありちびっ子が楽しく遊べる「はらっぱ広場」もあります。プロサッカーリーグ J1湘南ベルマーレの練習場になっているサッカー場を見下ろす斜面には、多くのファンが腰かけて練習を眺める風景もみられます。
また馬入ふれあい公園のサッカー場のすぐ上流側河川敷には、「イシックス馬入のお花畑」があります。この場所は、元々は堤防もなく、水害の度に被害を受けていたことから、平成9年(1977年)この場所に堤防が設置されました。その際、それまで相次いでいたゴミの不法投棄問題を防ぐ為に、国土交通省、神奈川県と平塚市が計画し、環境整備事業の一環として約16,000㎡(現在は約30,000㎡)の土地を使ってお花畑が造られました。
日頃はお花畑ボランティア「馬入花畑の会」や、地元の企業、小学生や平塚市が協力して手入れが行われ、季節によって異なる花が一面に咲き乱れています。春先は菜の花とチューリップ、初夏にかけては摘み取りイベントのあるポピー、夏は色鮮やかな百日草、秋は風に揺れるコスモスが人気です。
季節の花
4月:チューリップ、菜の花
5月:ヤグルマソウ、ポピー
6月:あじさい、ラベンダー
8月:ひまわり
8~10月:百日草
10月:コスモス
5月:ヤグルマソウ、ポピー
6月:あじさい、ラベンダー
8月:ひまわり
8~10月:百日草
10月:コスモス
春から秋にかけていろいろな花が咲き乱れています。特に、5月には4,400㎡にポピーが、9月には5,800㎡にコスモスが咲く魅力的なお花畑です。また、毎年6月初旬頃と10月中旬頃には、ポピーとコスモスの無料摘み取りイベントも行われており、子供からお年寄りまで多くの方が訪れています。
一年を通して四季折々の花が咲き、晴れた日にはひばりや野鳥が飛び交う、心癒される場所です。
<JR東海道線平塚駅北口から09系統バス(9番乗場)「馬入ふれあい公園入口」下車約5分>
記事提供:NPO法人 東海道ウォークガイドの会
(記事公開日:2020/12/18)